皆さん、こんにちは。
5月31日に可決成立した GX脱炭素電源法への抗議文を、岸田首相、西村経産大臣宛てに送りました。
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内閣総理大臣 岸田 文雄 様
経済産業大臣 西村 康稔 様
ふぇみん婦人民主クラブ
共同代表 片岡栄子 坂上祥子 二木洋子
GX脱炭素電源法の可決成立に抗議します
私たちふぇみん婦人民主クラブは、1946年に結成された全国組織の女性団体です。平和の追求、ジェンダー平等や人権、脱原発、環境保護などの問題に取り組んでいます。
5月31日、参議院本会議は、GX脱炭素電源法案(原子力基本法、原子炉等規制法、電気事業法、再処理法、再エネ特措法の5つの改正案を束ねたもの)を賛成多数で可決しました。GX推進法案もGX脱炭素電源法案も、充分な審議をせず、公聴会も開かないまま可決したことに憤りを持って抗議します。
2月10日、岸田政権はGX実行会議がまとめた基本方針を閣議決定しました。私たちは、基本方針に基づいたGX脱炭素電源法案は、本来の気候危機対策などではなく、原子力推進すなわち原発回帰だとして反対してきました。
東電・福島第一原発事故後、原子炉等規制法は「原発の運転期間を原則40年、1回限り原子力規制委員会が認める場合は20年延長できる」と改正されました。この規定を電気事業法に移し、原発の運転期間の認可権限を経済産業大臣が行うことに変更するとともに、原発の60年超え運転も認めることは、福島第一原発事故を無かったことにするも同然です。さらに、原子力基本法に国の責務を新設して原発活用による電力の安定確保等を書き加えたことは、国が原発推進の先頭に立つことにほかなりません。
私たちは2011年福島第一原発事故を経験しました。未曾有の大災害でした。政府はあの原発事故の過酷さを忘れてしまったのでしょうか。福島第一原発は、未だ収束の見通しも立っていません。廃炉作業に伴う放射性廃棄物、そして増え続けるアルプス処理汚染水と多くの問題が残ったままです。ふるさとに帰ることのできない避難者の方が2万人以上もいます。
福島第一原発事故の教訓を蔑ろにし、将来に禍根を残すだけのGX脱炭素電源法の成立に断固反対し抗議します。