2019年8月6日火曜日

あいちトリエンナーレ「表現の不自由展」の中止と「少女像」等展示への攻撃について強く抗議します

皆さま、こんにちは。熱中症に気をつけねばならない気候が続きますね。

愛知トリエンナーレの「表現の不自由展・その後」の中止等につき、抗議声明を出しましたのでお知らせいたします!

*************************************


声明
あいちトリエンナーレ「表現の不自由展」の中止と「少女像」等展示への攻撃について強く抗議します

             ふぇみん婦人民主クラブ共同代表  片岡栄子 岡田啓子

 ふぇみん婦人民主クラブは、ジェンダー、平和、環境などの問題解決のために活動する、全国の女性たちからなるNGOです。

81日から開催された国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が、開催3日目にして中止に追い込まれました。
「表現の不自由展・その後」の展示のうち、特に日本軍「慰安婦」を表象した「平和の少女像」や昭和天皇をモチーフにした作品等に対して、ガソリンによる放火のテロ予告さえ含む多数の抗議が事務局に殺到したことが、芸術監督の津田大介さんや実行委員会に中止を決定させたと報じられています。
私たちはこのような表現活動に対するテロの脅しを許すわけにはいきません。警察は直ちにこれらテロ予告を行った人を捜査し、司法の場での処罰に委ねて下さい。

一方で「中止」という決定は、出展者と作品、見学者や会場で働く人々を守るための苦渋の決断だったかもしれませんが、私たちはこの決定に対して抗議します。困難な状況であったとはいえ、結果的に闊達な議論の場を奪うことになってしまいました。
さらに河村たかし名古屋市長が「日本人の心を踏みにじるものだ」と発言したことや菅官房長官による展覧会への補助金見直しを示唆するような発言に、強く抗議します。
これらから察せられる「慰安婦」問題の認識は、河野官房長官談話(1993年)に反します。のみならず、公権力が表現活動を封じようとすることは、憲法21条が保障している表現の自由を侵害するものです。政治的権力を持つ者が「慰安婦」という日本の加害を否定し、それが展覧会の中止という決定を招くということは、今後は公権力が認める作品しか展示されないという社会に繋がります。それが民主主義社会のあるべき姿でしょうか?
ふぇみんはこれまで、元「慰安婦」の方々と共に旧日本軍の戦時性暴力を告発し、その不処罰や被害の軽視が、現在の女性に対する性暴力被害の軽視や加害者処罰の不徹底につながっていると考え、活動してきました。特に「少女像」への攻撃は、女性の人権への攻撃とあると考え、強く抗議します。

「あいちトリエンナーレ2019」は1014日まで開催されます。私たちは「表現の不自由展・その後」が再開されることを強く希望します。
201986