2008年3月30日日曜日

反貧困フェスタを開催 女性と貧困問題はこれから?




29日は反貧困フェスタだった。
1600人が参加した。









朝7時。テント運びから始まった。前夜から地割をしてくれていた人もいる。



私は税と社会保障のシンポジウムを担当し、主に教室の企画の進行だったのだが、ゼッタイ10人程度しか参加しないのではないかと思った、税と社会保障のシンポジウムに50人以上が参加し資料がなくても立ち見で参加していたのには、びっくりした。


パネリストは、週刊東洋経済新報記者の岡田広行さん、立正大学の浦野広明さん、岩手大学の藤原千沙さん。浦野さんが憲法に基づき、税の徴収は応能負担をつらぬくべき、この2,30年の税の徴収がいかに、金持ち・資本家を優遇するようにしてきたかを説明。藤原さんは、税を払い、社会保障に役立てるべきだと前置きして、税と社会保障において、所得再配分機能という軸で話を進めてくれた。レベルは高くおもしろい内容だった。今、政策課題となっている税と社会保障について、貧困問題にとりくむ人々が議論をしないとまた、政治に持っていかれてしまうのでは、と思った。



午前中から、貧困問題に関心のある人々が次々に参加し受付はどうも長い列だったらしい。



目玉だった労働と貧困のシンポジウム(連合の高木会長と派遣ユニオンの関根さん、首都圏青年ユニオンの河添さんがパネリスト、コーディネーターが竹信三恵子朝日新聞記者)には、もちろん、200人を超える参加者があった。



保育室も担当していたのだが、こちらもだんだんに子ども預ける人が増えてきた。男性保育者3人はてんてこまい。子どもたちが楽しそうに遊んでいたが、事故もなく保護者に渡せてほっとした。保育は障がい者に対する、バリアフリーと同じように、子連れ参加者に対するバリアフリー。ゼッタイに欠かせないと私は思う。だが実行委員会ではあまり認識がなくて毎回つらいところだ。




廊下は貧困に関する本が多く並び、大盛況。

シンポジウム教室には、寿のナビイのライブの声が響き、なんかそんな感じがとてもよかった。そう、どっかで社会は、政治は変わっていかなきゃならないよ、でね、でもそれはやっぱり私たちも、ちゃんと政治や社会のしくみを知らなきゃ変わらないでしょ、みたいな感じ。



昼休み、校庭に下りると、お花見あり、ライブあり、のおおにぎわい。無料のカレーライスは終わっていて、おかゆに福神漬けという組み合わせのごはんをいただいた。あったかくて、おいしかった。

 エノアールとふぇみんの物々交換カフェもまったりとお茶を飲んでいて、すごくよかった。
シングルマザーの知り合いが子連れできていて、ここは物々交換カフェだから、何か出すんだよ、というと、女の子がエー何ももってないからだめだよ、という。何でも飴でもいいよ、といって、一緒にバッグの中を探したら、キャンディーが二つでてきた。それを出したら、いちむらさんがじゃあ、どうぞ上がって、と言って、親子はお茶を飲んでました。


よかったねー。
ふぇみんとエノアールの物々交換カフェのスタッフのみんな、ありがとう。



午後はちょこっとACW2のイベントに遅れて参加。女性が元気になるワークショップはよかった。私たちももっとワークショップで自分たちの思いを出し合っていきたいと思ったところ。

午後には、複数の人から、女性の参加者から、やっぱり、このイベントが女性と貧困問題の存在感が少ないよーといわれた。いや、そうなのだ。そこまでなかなか反貧困と女性運動を結び付けられていない私の現状がある。

一つはリンクがはれていない。
もうひとつは力量とエネルギー不足で、いろいろ言うのをやめてしまっているところがある。

それでも言っていると思われているんだろうなあ。昨日も映画祭の映画があまりにも純粋無垢な貧困に虐げられ懸命に生きる少女、というステレオタイプだったので、選者にひとこと言うのを手伝った。まあその程度はかわいいものである。


実行委員会の一員としてかかわってきているが、女性との貧困問題については、今回もちょっと出番が少なかったかと今は反省モードだ。当初、桐野夏生さんとかに来てほしいと思ってアクセスしたのだが、すぐにお断りがきた。それ以降、ばたばたしていて、税と社会保障のシンポをつくるのでせいいっぱいだった。




女性が貧困に陥るときのさまざまな輻輳化した問題、性暴力や、虐待、被害者にも加害者にもなっていくところがまだまだゼンゼン出せていないのだ。また男性もジェンダーに縛られて傷ついているところがあるのもまたなかなか議論に出ていない。

シェルターネットからも、女性と貧困問題を出していこう、という提案もあることだし、なんとかしないとね。


全部片づけて、副校長に最後のごあいさつをして、中学校を後にした。



かなりの内容を持ったイベントだったので全容はこれから段々にわかっていくのかな、といろいろな情報がアップされていくのを見ながら思った。 こういうイベントができたことは、成功だった、と思う。いろいろな人が参加するのを見ていて、ちょっとわくわくした。


そして、女性と貧困問題はまだまだこれからだ。           (衣)

2008年3月20日木曜日

noraブランドの布ナプキン販売、大成功


 15日はPARC自由学校のおまつりでした。いつもお世話になっているPARC自由学校ですが、来年の企画には、隠れフェミ企画が入っております(その企画をお手伝いしました)。どの企画かは、みつけてくださいねー。


 また、何を隠そうワタクシPARC自由学校でアフリカンダンスを習っているため、その発表会もあったわけで、さらにその場で、いちむらさんのnoraブランドの布ナプキンを売ろうということで、いちむらさんも遠路電車に乗って布ナプのお店を出しました。


 どのくらい売れるかなあーと思っていたら、けっこう好評で、10枚くらい売れたということで良かった、良かったー。さらにさらに、他のお店に卸す話も出てきたようで、noraプランドの布ナプ、販売企画担当としては、大変やりがいがあります。


 次はアジア女性資料センターにもおじゃますることになっているということです。

 

 さて、いちむらさんがふぇみんにムライシさんと布ナプキンを持ってきたときの写真をアップしちゃいました。(1カ月くらい前でごめんなさい)   (衣)

 

 

2008年3月13日木曜日

KIの映画評 vol.17



アメリカ映画を2本紹介。ハリウッド映画ってちょっとね、みたいなのが私の中にあるのだけれど今回は力作を2本。両方とも今年のアカデミー賞主演男優賞を競っていたが、軍配は『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のダニエル・デイ=ルイスにあがり、『フィクサー』のジョージ・クルーニー(私は好きなのだけど)は、賞を逃した。(KI)

■ 『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』★★★☆☆

 重~い映画だ。見渡す限り荒野が広がる20世紀初頭のカリフォルニア。しがない鉱山 労働者が石油採掘によって次第に冨と権力を手に入れていく姿が壮大なスケールで描き出される。泥まみれになりながら石油をさがして大地を掘り続ける山師たち。荒涼とした風景の中で繰り広げられるその世界で、成功とともに暴力的で強欲な狂気のモンスターと化していく男を演じるのはダニエル・デイ=ルイス。その濃~い演技もさることながら、映画のクライマックス、大地を揺るがし、石油が噴き出すシーンは圧巻!アメリカンドリームを突き動かし、主人公の魂を毒してきた欲望という名の闇の力、あふれ続ける真っ黒な石油はまるで血のようで身がすくむ。
 主役のダニエル・デイ=ルイスは、1971年に映画デヴュー、引き受ける役柄を選び抜き、一時は俳優を休業し靴屋の修行をしていたという。出演した映画は多くはないがそのたびに批評家をうならせ、アカデミー賞主演男優賞へのノミネートは4度目。今回、89年に『マイ・レフト・フッド』で受賞したアカデミー賞主演男優賞を再び本作で獲得した。
 興味深いのは、主人公と確執を繰り広げるカリスマ牧師を『リトル・ミス・サンシャイン』の主人公の兄役で注目を集めたポール・ダノが熱演していること。前作とは全く趣きの異なる狂信的で攻撃的な牧師を演じ切り、ダニエル・デイ=ルイスと渡り合って注目を集めた。
映画は、2時間38分という長大作。見終わった後にがっくり疲れが出るのは、北野たけし主演の『血と骨』を見たときに似ているかも。 

■ 『フィクサー』★★★☆☆

 ニューヨーク最大の法律事務所が請け負った3000億円にのぼる巨大製薬会社の薬 害訴訟、全米を騒然とさせたその訴訟にまつわる隠ぺい工作を依頼された弁護士事務所に所属する”もみ消しのプロ”(フィクサー)、マイケルが足を踏み入れてしまった壮絶な闇の世界。事態が進む中で彼は企業の隠ぺい工作にとどまらない巨大な陰謀に巻き込まれていく。
 マイケルを演じるジョージ・クルーニーは、スマートな窃盗団のお話の『オーシャンズ11』(2007年には『オーシャンズ13』もでてるわね)などたくさんのヒット作に出演するハリウッドスター。でも彼の映画で私が好きなのは、「グッドナイト&グッドラック」(2005)や「シリアナ」(2004)など社会派の映画。「グッドナイト&グッドラック」は、”赤狩り”の嵐が吹き荒れる1953年のアメリカを舞台に時の権力者に立ち向かったTVジャーナリスト、エド・マローや実在のジャーナリストたちの物語。ジョージ・クルーニーは、監督、脚本を手がけ、本作でアカデミー賞助演男優賞を受賞している。あえて全編モノクロの映画として撮影され、それがかえって、あの時代をほうふつとさせ、臨場感が伝わってくる。おすすめの映画のひとつ。
 さて、『フィクサー』では、彼はアカデミー主演男優賞をのがしたが、共演のティルダ・スウィントンは本作で助演女優賞を受賞した。彼女は、巨大製薬会社の企業内弁護士として極度のプレッシャーを受ける中で、追い込まれていく役をリアルに演じている。彼女はこの役を演じるにあたり、エリート企業内弁護士の女性何人かに話を聞いたという。「彼女たちは、失敗をとても恐れ、助けを求めないでちゃんとできることを証明することに取りつかれている。なぜなら女というだけで弱いと思われることをもっとも恐れているから」と語るティルダ・スウィントンの迫真の演技は、一見の価値あり。 

MAの映画評



 「パレスチナ1948 NAKBA」は報道写真月刊誌『DAYS JAPAN』の編集長、広河隆一の初監督作品。今年2008年はイスラエル建国60年。つまり60年前の1948年5月14日、イスラエル軍がパレスチナ人を追い出す形でイスラエル国家が誕生した。故郷を追い出されたパレスチナ人のほとんどは難民となり、その数は70万人以上といわれている。1948年のこの事件をパレスチナ人はNAKBA(大惨事)と呼ぶ。400以上の村々が消滅し、廃墟となったこの事件は「大きな歴史」から消し去られてきた。
 1967年、23歳でイスラエルに渡った広河は、キブツ(社会主義的な共同体)で暮らしていた。そこで気がかりな風景に遭遇する。サボテンが群生する「白い廃墟」――それはかつてパレスチナ人が暮らしていた村の跡だと知る。自分が暮らしているキブツが実はパレスチナ人の村だったことに衝撃を受けた広河は、地図から消され、失われた村の歴史を辿り記録することを決意する。
目を覆いたくなるような残虐な写真から作品は始まる。瓦礫の上に横たわる死体の数々、道に投げ出された腕や足の断片。報道できなかった貴重な写真から、1948年に起った事件、その真実を知ることになる。「記録の大切さをいよいよ思い知っている。…勝者が歴史を作る現代では、被害の歴史はかき消されていく」。
     *********************************************
 映画を観る前に、ふぇみん1月25日号の「ごめんください」のルティ・ジョスコヴィッツさんの著書『私のなかの「ユダヤ人」』を読むことをおススメします。また3月15日号の「ごめんください」には本作品の「1コマサポーター」代表で、製作も担当している森沢典子さんが登場。ぜひ合わせてご覧下さい!

2008年3月11日火曜日

ドーンセンター売却阻止 署名のお願い

2月に大阪府知事に就任した橋下徹知事が発表した、大阪府立女性総合センター(ドーンセンター)の売却方針に衝撃が広がっている。
橋下知事はドーンセンターについて「ソフトの部分では、ドーンセンターを何も否定していない。今まで以上にバックアップする」と述べているが、施設自体や管理運営を行う財団は無駄、というのが知事の見解。

ドーンセンターを利用してきた女性たちが「好きやねんドーンセンターの会」を結成し、署名活動を展開している。
http://www.sukiyanen-dc.com/

ウェブ署名もできるが、基本的には署名用紙をプリントアウトしての署名をお願いします!



(写真は、2/29に行われた「売らないでください!ドーンセンター 春いちばんマーチ」の様子)











2008年3月1日土曜日

「歌わせたい男たち」初日に行ってきました!


あの、日の丸君が代の強制の実態を描きながら、こんなにセンスいい劇をつくってしまうなんて、と感激した、「歌わせたい男たち」の再演の初日に張り切って行ってきました!
今回は、2列目に席を取れたので、近視がひどくなっている私でもばっちり、表情が見えます。
こまかいところもとてもよくわかり、面白い芝居でした。
あんまり筋を言うとおもしろくないのですが、売れないシャンソン歌手だった主人公が、高校の音楽教員として赴任して3ヶ月目。保健室で卒業式当日の朝8時から10時までに繰り広げられる、おもしろくておかしくて、コワイ喜劇です。
どうしても今日は滞りなく、君が代の伴奏もしてもらい、不起立を出さないで卒業式を終えたい校長。
どうしてそんなに皆が真剣なのかさえ、知らないミチル。
校長の管理教育の手先となって、走りまわる若手教員。
そして今日は処分になっても、不起立をつらぬこうとするハイジマ。
2年前、もっとげらげら笑えていたと思うのですが、劇が半分くらい進んだところで、観客の笑いの中でつらくなっている自分に、気づいてしまいました。
不起立をし続けようとする教員のつらさがなんか伝わってきちゃって…確かにかっちょわるいんんだけど、でも、こんな現実ってやっぱりひどすぎる…こういう強制のあざとさ、情に何度も何度もからめる力とまわりのずるさ、頑なに拒否するしかない悲しさ、適応過剰みたいな若い教員のヘンさ、校長のけっこう人間くさいけれどコワイ管理職ぶりなどなど…。
永井さんってほんとうにうまいですね。
こうやってくるんだーと何度も何度も思いました。
観客席には、若い人が多かったように感じたのは気のせい?
顔見知りの教組の人が、自分の同僚の若い人たちをつれてきていたのが印象的でした。
終わって、永井さんがサインしてくださるというので、つい、戯曲本を買いました。1年半くらい前にインタビューをふぇみんでさせていただいたのですが、顔を覚えてくださっていたようです。
そのときのインタビューの中身がとってもおもしろくて、楽しくて…
戯曲が一本書けたときの喜びは、とてもとてもなにものにも変えられないそうで、夜明けに町をみながら幸せがひたひたと押し寄せてくるそうなんですよ。
これから3月23日まで東京・紀伊国屋ホールでやっています。平日の券はまだ空きがあるそうです。
ぜひぜひ、見に行ってくださいね。
その後の予定も、二兎社webにあります。(衣)