2008年3月13日木曜日

MAの映画評



 「パレスチナ1948 NAKBA」は報道写真月刊誌『DAYS JAPAN』の編集長、広河隆一の初監督作品。今年2008年はイスラエル建国60年。つまり60年前の1948年5月14日、イスラエル軍がパレスチナ人を追い出す形でイスラエル国家が誕生した。故郷を追い出されたパレスチナ人のほとんどは難民となり、その数は70万人以上といわれている。1948年のこの事件をパレスチナ人はNAKBA(大惨事)と呼ぶ。400以上の村々が消滅し、廃墟となったこの事件は「大きな歴史」から消し去られてきた。
 1967年、23歳でイスラエルに渡った広河は、キブツ(社会主義的な共同体)で暮らしていた。そこで気がかりな風景に遭遇する。サボテンが群生する「白い廃墟」――それはかつてパレスチナ人が暮らしていた村の跡だと知る。自分が暮らしているキブツが実はパレスチナ人の村だったことに衝撃を受けた広河は、地図から消され、失われた村の歴史を辿り記録することを決意する。
目を覆いたくなるような残虐な写真から作品は始まる。瓦礫の上に横たわる死体の数々、道に投げ出された腕や足の断片。報道できなかった貴重な写真から、1948年に起った事件、その真実を知ることになる。「記録の大切さをいよいよ思い知っている。…勝者が歴史を作る現代では、被害の歴史はかき消されていく」。
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 映画を観る前に、ふぇみん1月25日号の「ごめんください」のルティ・ジョスコヴィッツさんの著書『私のなかの「ユダヤ人」』を読むことをおススメします。また3月15日号の「ごめんください」には本作品の「1コマサポーター」代表で、製作も担当している森沢典子さんが登場。ぜひ合わせてご覧下さい!

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