2022年12月9日金曜日

防衛三文書改訂・防衛力強化の閣議決定に抗議し、撤回を求める声明を岸田首相ほか各政党に送りました。

こんにちは。

ふぇみんでは、「防衛三文書改訂・防衛力強化の閣議決定に抗議し、撤回」を求める声明を、本日12月9日に岸田首相ほか各政党に送りました。

 ぜひお読みください!

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                            202212月9日    

内閣総理大臣

岸田 文雄 様

ふぇみん婦人民主クラブ  

共同代表 片岡栄子 坂上祥子 二木洋子

 

防衛三文書改訂・防衛力強化の閣議決定に抗議し、撤回を求めます

 

私たちふぇみん婦人民主クラブは、1946年に結成された全国組織の女性団体です。平和の追求、ジェンダーや人権、脱原発、環境保護などの問題に取り組んでいます。政府は「防衛力強化」の閣議決定をするとのことですが、以下の理由でこれに反対します。

 

憲法9条に違反する

今回の防衛力強化の内容は、反撃能力(敵基地攻撃能力)保有、巡航ミサイルトマホークに代表される各種の長距離ミサイルの保有、世界第3位に浮上する防衛予算増額等々であり従来取ってきた専守防衛(国土防衛)の枠を大きく超えるものです。なかでも敵基地攻撃はこれも違憲である集団的自衛権として行使された場合、国際法違反の先制攻撃になりかねない危険性を孕んでいます。今までは政府みずからが攻撃的兵器は自衛のための必要最小限度を超えるため、その保有は許されないとしてきました。憲法の制約を超える軍備及び行為を内容とする防衛力強化は許されません。

 

誰のための防衛力強化なのか

2022年の「2プラス2」の共同発表文書で米国は中国を相手取ったインド太平洋地域における覇権競争のために同盟国との連合を広げるとしました。そのための日本の防衛力強化であることは明らかです。つまり日本の防衛力強化の目的は日本自身のためではなく米国援助のためと言えそうです。そもそも中国、北朝鮮が敵とみなす相手は米国であり日本ではありません。米中の覇権競争、抑止力競争に加担することは日本を危険に巻き込むことです。

 

抑止力競争は留まることなく国家破綻に繋がる(抑止力のジレンマ)

米中軍拡競争に加わって日本が米国の抑止力の一端を担うことは却って日本を破滅の道に引き込みます。高齢者人口と若年人口が逆三角形にある今後の日本の経済力、最大の貿易相手国中国との交易断絶、資源不足、食料自給率40%、少子高齢化社会になる一方の日本に世界第3位の軍事力に割く経済的余力があるとは思えません。再生産性のない軍事費は国費の浪費であり、国力の疲弊を招き私たちの生活を疲弊させます。

 

米中戦争の際には日本列島が最前線に立たされる

中国、北朝鮮が日本を攻撃するとすれば、それは敵対する米国の軍事基地が日本に数多く存在するからです。例えば政府が根拠なく煽り立てている台湾有事において、もし米中戦争となれば、在日米軍基地は中国の攻撃対象になり、その戦闘の範囲は南西諸島、沖縄に止まらず国土全域が戦場となり得ます。米国は日本全土をミサイル発射台として使い、在日米軍の主力部隊はグアムやハワイへ回避する作戦になっていると聞きます。全土が戦場となった島国日本は原発数基が破壊されるだけで壊滅へと向かいます。誰のための防衛力強化なのでしょうか。

 

⑤防衛力強化に代るもの

地政学的に特殊な位置を占める日本であればこそ今後取るべき道は日米同盟強化ではなく、中国、北朝鮮を含めたアジア太平洋一帯の平和の構築です。冷戦終結後、世界最強の軍事力を誇る米国はアフガニスタン、イラクを始めとする世界各地に軍隊を派遣してきました。でも成功した例はあったでしょうか?武力で平和は創れません。

世界第3位の軍事力ではなく、その予算と人材を活用した外交努力こそが日本及びアジアに平和と繁栄をもたらす方法です。