2020年11月17日火曜日

要望書「日本学術会議の任命拒否に抗議し、撤回を求めます」を内閣総理大臣宛に提出しました。

 

内閣総理大臣 菅 義偉 様

 

日本学術会議の任命拒否に抗議し、撤回を求めます 

                       ふぇみん婦人民主クラブ                   

                                                 共同代表 片岡栄子 岡田啓子

 

私たちふぇみん婦人民主クラブは、1946年に結成された全国組織の女性団体です。平和の追求、ジェンダーや人権、脱原発、環境保護などの問題に取り組んでいます。

 

菅首相は日本学術会議への任命拒否について、明確な理由を主権者である私たちに説明すべき義務があります。学問とは真理の探求であり、時の政権に左右されるものではなく、「学問の自由は、これを保障する。(憲法23条)」とあるように、独立して存在するものです。歴代内閣は日本学術会議の推薦を尊重する立場を守ってきました。日本には、科学者が戦争に協力した戦前の反省すべき歴史があり、したがって今回の任命拒否に関して私たちは強い関心を持たざるを得ません。内閣総理大臣は任命拒否の理由を丁寧に説明することが求められているのです。

 

今回任命拒否された6人はそれぞれ、集団的自衛権を認めた安全保障関連法や共謀罪(テロ等準備剤)、個人情報保護法などを批判してきた学者の方々です。菅総理が内閣の方針に意を唱える学者を排除したと見なされても不思議ではありません。日本学術会議の年間予算が10億円とのことですが、コロナ対策用としての支出されたマスク費用260億円と比較すれば無駄とは決して言えないはずです。多様性に関して、前副会長の渡辺美代子さんは、多様な会員を増やしてきた努力を「日本学術会議が科学者の世界も一般社会と同様、多様な人々の参画が求められ、異なる意見の衝突こそが必要だからである」と新聞に寄稿しています。私たちは、これまで日本学術会議が、積極的に政府に批判したり、発言することに敬意をもって受け止めていました。

 

現在、世界は新型コロナウイルスによるパンデミックの危機にあります。感染の不安だけでなく、命や生活を脅かされている人もいます。政府が最優先に取り組む課題は山積しています。学者の国会ともいわれる日本学術会議への人事介入しているときではありません。

 

私たちは、菅首相の日本学術会議の任命拒否に抗議し、撤回を求めます

       20201113