皆さん、私達の暮らしや安心を破壊する悪法ばかりが可決・成立した今国会。
中でも、2022年閣議決定で改訂された安保三文書に基づく二法「防衛財源確保法案」と「防衛生産基盤強化法案」のうち前者が2023年6月16日、後者が6月7日に参院本会議で賛成多数で成立しました。
ふぇみんは、この2法に反対し撤回を要求する声明を、6月20日付けで首相、財務大臣、防衛大臣宛に送りました。
ぜひお読みください!
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2023年6月20日
内閣総理大臣 岸田文雄 様
財務大臣 鈴木俊一 様
防衛大臣 浜田靖一 様
「防衛財源確保法」「防衛生産基盤強化法」に反対し撤回を要求する
私たちふぇみん婦人民主クラブは、1946年に結成された全国組織の女性団体です。平和の追求、ジェンダーや人権、脱原発、環境保護などの問題に取り組んでいる。
2022年閣議決定で改訂された安保三文書に基づく二法「防衛財源確保法案」と「防衛生産基盤強化法案」のうち前者が2023年6月16日、後者が6月7日に参院本会議で賛成多数で成立した。
昨年末三文書改訂閣議決定に対して抗議文を出したふぇみん婦人民主クラブは、この二法に対しても日本国憲法第9条に違反するものとして強く反対する。
財源確保法の中身は、東日本大震災のための復興特別所得税の転用や国立病院機構などの積立金など国民生活に直結した費用の流用や、敗戦時に危機的経済情勢を招いた戦時国債と同質の建設国債を充当させるような禁じ手でもある。また、創設される「防衛力強化資金」は決算剰余金や国有財産の売却金をため込んでいくもので、再生産性のない軍事力強化に国民の資産が際限なく消費されていく組み立てになっている。
確たる財源を欠いたその全容は、国民が十分理解しているとは言い難い。不足分を増税に転化することがあってはならない。
こうしたかき集め財源を使って行われる防衛生産基盤強化法の中身は憲法違反オンパレードだ。「製造施設等の国による保有」は競争力のない兵器産業を国費で援助するという実質国営企業化である。戦力を保持しないとする憲法とどのように整合性が取れるのか。しかも名だたる大企業が、採算が取れずに相次いで撤退した兵器産業を、国営化して黒字に転化できるという保証はどこにもない。膨大な国費の無駄遣いになりかねない。
そうして生産された兵器は、「防衛装備移転三原則」の緩和により輸出が促進される。この三原則は今や殺傷能力のある兵器の輸出の是非さえ取りざたされるまでになっている。しかも「国家安全保障戦略」に盛られている「政府安全保障能力強化支援(OSA)」は、この三原則に沿って“同志国”に対し兵器や物資を提供するものである。“同志国”とは、中国と対峙している国という意味なのか。そうであれば米中対立を日本が武力援助によって助長するにとどまらず、日本自身が武力紛争の当事国にさえなりかねない。
防衛費世界第三位を目指し、スタンドオフミサイルを大量購入して敵基地攻撃能力を保有して“同志国”に武器援助する。まるで「世界の警察官」を辞した米国の肩代わりをしようとするかのようだ。極めて危険であり、武力による威嚇や行使の放棄、戦力不保持、交戦権を認めない憲法9条に違反している。安全保障に関しては統治行為論を盾に司法は憲法判断をしない。司法が判断しないからと言って違憲の政策が合憲になるわけではない。政府は憲法にのっとった忍耐強い外交努力で日本の安全、世界の平和に貢献すべきである。
ふぇみん婦人民主クラブ
東京都渋谷区神宮前3-31-18 Tel 03(3402)3244
共同代表 片岡栄子 坂上祥子 二木洋子