2015年1月29日木曜日

沖縄・東村高江のヘリパッド建設について、「ゆんたく高江」が防衛省に要請行動

沖縄・辺野古も緊迫した状況だが、この間、年明け、やんばるの東村高江もヘリパッドの無断使用があったりで、工事が進む地区で公道の路側帯から住民を排除する(使用させない)ようなたいへんな事態になっている。
こっちも沖縄防衛局や防衛省のやりたい放題な状態。

東京を中心に高江のヘリパッド問題に取り組む「ゆんたく高江」のメンバーが中心になって、自民党や関連省庁をまわって要請する
「ゆんたく高江 やんばるの森を守って!関係省庁・直訴ツアー」を、1月27日に行った。


ふぇみんも防衛省への申し入れに参加。


まず、今の事態のおさらい。

沖縄防衛局が計画していること。
◎住民が座り込みをしている(県道70号線の)路肩の占有権を米軍に明け渡し、工事に反対する住民を排除するために鉄柵を設置すること。
◎この1月中にも裁判所に、住民に立ち退きをを求める仮処分を申し立てて、住民が従わない場合は損害賠償を請求する方向で調整していること。

現地では高江の住民と防衛局の「話し合い」がまったくなされていない模様。
それをうけ、ゆんたく高江が安倍首相と中谷防衛大臣、井上沖縄防衛局局長に
対して要請した内容は、このとおり。

1)今後予定されているN1地区、G地区、H地区のヘリパッド工事を中止すること。

2)北部訓練場の県道70号線のN1地区への進入口になる路側部分について、日米地位協定第2条4項aの日米共同使用を解除し、米軍専用に戻す手続きが進んでいると報じられているが、その内容を明らかにすること。

3)この路側部分は、県民が自由に通行できる県道の一部であり、一方的に取り上げて立ち入り禁止とはしないこと。道路管理者である県と協議すること。

4)住民等が、工事強行に抗議し、話し合いを求めて座り込むために設置したテントや車両を強制排除しないこと。

5)国が住民等の求める話し合いに応じず、仮処分を申し立て損害賠償を請求するのは力のある者が弱者を恫喝するSLAPP訴訟(口封じ、弾圧訴訟)に該当する。そのような司法の悪用をしないこと。

6)高江集落内の道路に、工事車両、米軍車両を絶対に通行させないこと。



防衛省側は沖縄調整局の比嘉さん(宮古島出身)と立柳(たぶん、この漢字)さんが出席。
要請側には、高江から田丸正幸さんも参加。
国会議員も1人参加していたためか、要望書を手渡すだけでなく、質疑の時間も30分程度持てた。(国会議員がいるといないのでは大違いなのか! それはそれで噴飯だが)


1)~6)の回答は、
SACO合意の中で、ヘリパッドを6カ所つくることが、北部訓練場7500haのうちの4000haの返還の条件だったから、それにそって法令に従って進めているんだ、と、あくまで沖縄と現地の負担軽減のためにやってる、と言う。

また、「安全面に最大限の配慮を払い進めていく」「住民の要望に配慮して」を連発。
住民の安全を考え、工事車両などが高江集落の中を通行しないように、と求めたことに加え、「今後進められる予定のG地区の工事には集落を通らないでは工事 できないのでは?」と質問すると、「できるだけ通らないような経路を探して、知恵を絞る」という返答。(無意味な返答だ。彼らに知恵があるとは限らな い。)

沖縄の新聞で報道された無許可の訓練のことについては、これまた意味不明な返答だけ。
「高江の住民たちと防衛局の対話がされていないのにも関わらず、”決まったこと”として、押しつけてくるのは問題だ、防衛省は防衛局に対話せよとは言わないのか」、という田丸さんの問いに、「意見は上(上司)に上げる(伝える)」と。

路肩問題も、「実際に行うのは防衛局だから、伝える」が、「責任者は防衛局長だ」などと責任転嫁。国会議員(仁比さん)が「路肩の件を、きちんと答えない のは不誠実だ」と言うと、「安全確保が最優先で」という。誰の安全確保か、米軍の安全じゃないの?と参加者から声が漏れた。
別の参加者からの発言。

G地区の工事入札は開始している。その資料にある工事の基準価格には工事方法が確定しているはずなので、工事ではどの道路を使うのか調べられるはず。だか ら「防衛局に確認して工事用道路をどこに指定しているのか、(仁比さんに)回答するように」という要望は、どうやら通ったのか。

田丸さんは、いまの対話のない状態では、互いに疑心暗鬼になっていて、工事の前に住民と防衛局がぶつかり合うのが避けられない。安心して対話できる場をつくってほしい、と締めた。

ゆんたく高江としては初めての省庁交渉だったという。
他の“ツアー先”は、「郵送しろ」が多かったそうだが、省庁交渉は東京にいる人間の強みだろう。


高江の現状はこのブログ (やんばる東村 高江の現状)で。
使用許可をとっていないヘリパッドで8回も着陸訓練やホバリングをしていた!
そして、装備品の落下事故もあったそうだ。